前回に引き続き福祉環境委員会の視察報告をお届けします。

2日目は奈良市

奈良と言えばシカ

いろいろなところにシカの角をモチーフにしたものがありました。

5月16日奈良県奈良市役所に伺いました。

テーマ

①奈良市子どもセンターについて と

②保育園における簡易ベッド(コットベッド)の導入について

奈良市は人口約35万人276.94㎢。

平成26年12月に「子どもにやさしいまちづくり条例」を制定している。

①奈良市子ども支援センターは、

5年前から準備をし、令和4年4月に開設。

きっかけは、虐待による重症事例が発生したことと、

平成29年4月に改正児童福祉法が施行され、

中核市でも児童相談所を持てるようになったこと

児童相談所を市で持ったことにより今まで県との見立ての違いや、

支援の隙間が出来ていたものが、要保護児童対策連絡協議会と連携して

スムーズに保護が出来るようになった。

その結果受理件数もR3年に比べR4年は150件ほど増の1238件となった。

警察からの通告が多いため、警察OBも雇用している。

毎年定期的に第3者評価を受けることとしており、

子ども自身がどう感じているかや、人権について最大限配慮している。

子どもの意見が反映されているか奈良県弁護士会から弁護士を派遣する形で

アドボケイト制度をとり、子どもの意見を反映させる努力をしている。

県の児童相談所とも合同の研修会や一時保護所の相互利用など連携している。

奈良市も車で移動する方が多いため、最初は別の場所に建てるつもりであったが

都市公園の中に、奈良市子どもセンターを子育て支援施設と一体的に建てて、

子育て中の親と子の総合的な支援拠点としてメリットを生かしている。

車を運転できない親子のために予約制で最寄りの駅まで

迎えに行くコミューターも走らせている。

中核市で児童相談所を持っているのは横須賀市、金沢市、奈良市などでまだ少数。

やはり他の市からも言われるようにお金の確保と職員の確保が課題という事だった。

子育て施策を持っているのは基礎自治体のため、

児童相談所と連携してすぐに支援が出来ることのメリットは感じられたが、

所長が言われていたように「一度作ったらやめられない」という重い言葉に覚悟の強さを感じた。

長野市も長野県から作って欲しいと要請があるようだが、

相当な準備期間と覚悟が必要であり、拙速にはいかないと感じた。

先ずは長野県との更なる連携強化を図っていく事

そしてその先に独自の児童相談所を持つことも

考えていかなくてはならないのではと感じた。

②保育園における簡易ベッド(コットベッド)はR2年12月に導入。

新型コロナウイルス感染症対策地方創生臨時交付金を活用している。

シーツ等の持ち帰りはあるが、ほこりが立たなくなったのがメリット。

課題としては、収納場所が必要なことと買い換える時の予算確保。

民間保育園には「奈良市午睡用ベッド等購入費補助金」の制度を作って

全額補助ではないが対応している。

夏などは熱がこもらず寝付きが良いのではと感じた。

アレルギーなどを持つこどもたちが増えている中で

衛生面で良い効果があるように感じたが、

やはりベッドの更新時の財源問題などがあり導入は難しいように感じた。